サイト内検索


  • ウェブ全体から検索
    ココログ全体から検索
    中南米と山とミステリー内検索
2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ

« 貫井徳郎「灰色の虹」(新潮社) | トップページ | ガスパチョをつくってみた »

2011年7月21日 (木)

貫井徳郎「愚行録」(東京創元社)

評価4

 裕福で幸せそうな一家4人が惨殺された。

 物語は、ルポライターのインタビューを受ける一家の関係者の話と、子供のころ両親に虐待された女性が兄に対して語る思い出話が交互に現れる形で進行。
 殺害された男性の友人や元恋人、妻の学生時代の友人や近所の主婦ら、関係者の話によって、子供2人とともに殺害された夫婦の人物像が明らかになっていく。
 児童虐待の話が、惨殺事件とどう関係するのかわからないまま(気付く人は、冒頭に出てくるネグレクトの新聞記事をヒントに途中で気付くのでしょうが)、最後の虐待被害女性の話で全てがつながる。

 殺害の被害者は、完璧なように見えて、事件を導いてしまうようないやらしい面を持ち、児童虐待もまた事件への長い伏線となる。人間の醜さ、いやらしさ、愚かしさが最終的に事件に収斂されていく。

 さまざまな登場人物が出てきて被害者らと微妙な人間関係を持っているので、最後に分かる犯人が、どうしてもこの人でなければならない、という理由はない。振り返ってみれば、その人の行動に、その過去を想起させるような振る舞いがあって納得できるのだが(まどろこしくて済みません)、それはただちに犯行に結び付くものではないし。

 だからミステリーとしての醍醐味には少し欠ける点があるが、筆者が描きたかった(と思われる)人間の醜さは存分に表現されていると思う。

« 貫井徳郎「灰色の虹」(新潮社) | トップページ | ガスパチョをつくってみた »

ミステリーが好き」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/576624/52261745

この記事へのトラックバック一覧です: 貫井徳郎「愚行録」(東京創元社):

« 貫井徳郎「灰色の虹」(新潮社) | トップページ | ガスパチョをつくってみた »