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2011年8月21日 (日)

佐々木譲「警官の紋章」(角川春樹事務所)

評価4

 「笑う警官」 (ハルキ文庫)、「警察庁から来た男」 (ハルキ文庫) に続く北海道警シリーズ第3弾。個々の警察官の正義感を押しつぶしてしまうような警察組織の中で、「警官の紋章」を胸に刻んだ警官たちの地道な活躍を描く。

 第一作で描かれた郡司事件の真相究明と、サミット担当大臣を狙ったテロ、警官の失踪と要人襲撃計画、という三つの柱を軸に物語りが進行する。それぞれを佐伯、小島、津久井というおなじみの警官が担当する。

 あまり派手な展開はないが、警官失踪をめぐるラストはちょっといい終わり方。佐伯たちのチーム、最高。

 物語はいかにも「続く」という感じで終わる。

 前2作を読んでおかないと今ひとつわかりにくいかも。

 佐々木譲は連作短編集「廃虚に乞う」(文芸春秋)で直木賞を受賞しているが、私はあまりおもしろいと思えなかった。親子三代にわたる大河ミステリー「警官の血」(新潮社)の受賞だったら、大いに納得できたと思うが。

 以下、残念な点。

 冒頭でいきなり「法廷侮辱罪」という言葉が出てきてドン引き。日本にはそんな罪は存在しません。ミステリーはリアリティーが命と私は考えており、 「警官の血」に感激したものとしては、こうした記述は非常に残念です。

 小説内で「結審」という言葉が、判決も含めて裁判が終了したという意味で何度も使われています。しかし、「結審」というのは「審理を終了した」という意味であり、この後に判決が言い渡されます。今後あらためてほしい誤りです。 

 315ページで、「逮捕状が2年前に出ており、いつでも逮捕可能だ」という趣旨のやりとりがありますが、逮捕状の有効期間は令状発付の日から7日であり、更新していなければとっくに期限切れです。この事件の場合、いったんは立件を断念しているため、更新手続きをとっているとは思えず、この記述はおかしいと思います。

 また、誤植と思われるものを指摘しておきます。

 149ページ「刑務部長」は「警務部長」でしょう。

 なお、私はハードカバーを読みましたが、本書はすでにハルキ文庫で、文庫化されています。

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