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2011年10月10日 (月)

東野圭吾「プラチナデータ」(幻冬舎)

評価4。

 犯罪抑止、犯人検挙を目的に国民のDNAを国家が管理する近未来の社会。検挙率は上がったが、類似するDNAが存在しない連続婦女暴行殺人事件が起きる。

 DNAを解析するのは警察庁特殊解析研究所の神楽龍平。神楽の父は高名な陶芸家だったが、コンピュータの作った贋作を見抜けず、自殺。「人の心も遺伝子という初期プログラムによって決まる」。神楽は父の事件の影響で、心よりもデータを重んじる男になっていた。神楽は、自らの心の中に「リュウ」というもう一つの人格を持つ二重人格者でもあった。

 やがてDNA捜査の検索システムをつくった女性数学者と兄が大学病院で殺害され、使われた銃が婦女暴行事件のものと同じであることが判明。しかし、DNA鑑定は、犯人は別人であるばかりでなく、神楽であることを示していた。

 スズランと名乗るリュウの恋人との逃避行を通じ、神楽は「データこそすべて」という自分の考え方の間違いに気づいていく。

 警視庁の浅間刑事と神楽が協力し、DNA検索システムに隠された秘密に近づくが、それに気づいた犯人が2人の前に立ちはだかる。

 国家がつくる管理社会。それは支配層による支配と不平等を維持するためのシステムでしかないということを著者は警告している。

 最後の場面は美しい。しかし、真相にたどり着いた浅間と神楽が、国家という壁に阻まれてこのシステムを打破できないまま作品が終わることが、著者の危機意識をさらに引き立てている。

 誤植など。

122ページ。後ろから5行目「署長」とあるが「所長」でなければならないところ。

359ページ。神楽が、携帯を使えなくなって公衆電話から白鳥の携帯を鳴らす場面で「万一のことを考えて、彼女の番号をメモしておいたのは正解だった。」という記述があるが、これは無意味、不必要な記述だ。神楽は、この数十分前に同じ白鳥の携帯に電話をかけているのだから。もしかしたら雑誌連載中は必要な記述だったのかもしれないが、単行本化するにあたって削除すべきだった。

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