サイト内検索


  • ウェブ全体から検索
    ココログ全体から検索
    中南米と山とミステリー内検索
2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

« キャベツとツナのスパゲティ | トップページ | 道尾秀介「カラスの親指」(講談社文庫) »

2012年3月19日 (月)

道尾秀介「鬼の跫音」(角川文庫)

評価4

 前から気になっていた道尾秀介。初めて読みました。

 本作はホラー、サスペンス、ミステリーの要素を併せ持つ6編からなる短編集。いずれの作品にもSという人物が出てきますが、別人で、それぞれの作品に関連はありません。

 どの作品も、ぐいぐい読ませて、最後にオチがあります。おもしろくてすぐに読めてしまいます。人間の悪意や意地の悪さ、汚さなどが時には猟奇的なエピソードを交えて描かれます。人間は怖いです。

 以下、ネタバレあり。

「鈴虫」

 11年前に行方不明になっていたSの遺体が埋められているのが発見され、友人だった「私」が警察の聴取を受ける。妻になった杏子は当時Sの恋人だった。隣の部屋に住む「私」に、杏子や他の女との情事を聞かせるSを「私」は憎んでいた。「私」は、Sが事故で死に、死体を遺棄したことは認めたが、その真相は…。殺人現場を見ていた鈴虫に「私」は苦しめられる。

「ケモノ」

 受験に失敗するなどして、家族に冷たくされてきた「僕」は、ある日、刑務所作業製品のいすが壊れたことで、いすの脚に隠されたメッセージを見つける。それは40年余り前の一家猟奇的殺人事件の犯人Sのものだった。残されたSの妹を訪ね、事件の第一発見者を訪ねた「僕」はメッセージの意味と、「ケモノの家」で起きた事件の真相を知り、自分の家族のことを思うが…

「よいぎつね」

 高校生時代に悪友にそそのかされて起こした強姦事件。その町を20年ぶりに訪れた「私」は、まさに少女を襲おうとしている自分の姿を見つけて、後をつける。死を目前に、殺したと思った少女は生きていたのか、自分があとをつけたのは自分がはらませた子供だったのか、それならかつて自分が埋めた死体は誰のものだったのか…、思いをめぐらせる。

「箱詰めの文字」

 あなたの家から貯金箱を盗んだとして謝りに来た少年。しかし「僕」はその招き猫に見覚えがない。貯金箱から「残念だ」と書かれたメッセージだけが出てきた。「僕」はかつてSの書いた小説を自分のものとして発表し、作家デビューをした。メッセージはSからのものだと思い、「僕」は口封じのためSの家を訪ねるが、そこにいたのは…

「冬の鬼」

 「私」(女性)は東京で火事に遭い、全てを失ったが、そこにSが現れ、生まれ故郷の九州に戻ってSと暮らすことになった。「私」は火事で顔にひどいやけどを負い、顔を見ないため、鏡を捨て、硝子には古新聞を張ったが、Sの目には「私」の姿が映っていた。「一生、私の顔を見ないでください」。「私」の願いに応えたSの究極の方法とは…。

「悪意の顔」

 小学生の「僕」はSのいじめを受けていた。ある日、ある女性と出会うが、その女性は「僕」の「怖がりの心」をキャンバスに閉じ込めてくれた。いじめを打ち明けた「僕」に女性はSをキャンバスに閉じ込めることを提案。「僕」はSを女性の家に連れて行き、Sを残したまま去ろうとすると中からSの悲鳴が聞こえてきた。翌日、頭にけがをしたSが登校。女性に家に行くと、女性はキャンバスの絵の中に入っていた。「僕」は、キャンバスにSの悪意を閉じ込めたもののSに逃げられた女性が警察への通報を恐れ、キャンバスに逃げ込んだと考えるが…。

« キャベツとツナのスパゲティ | トップページ | 道尾秀介「カラスの親指」(講談社文庫) »

ミステリーが好き」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/576624/54233660

この記事へのトラックバック一覧です: 道尾秀介「鬼の跫音」(角川文庫):

« キャベツとツナのスパゲティ | トップページ | 道尾秀介「カラスの親指」(講談社文庫) »