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2012年6月28日 (木)

東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」(角川書店)

評価5

 郵便受けで悩みを受け付け、牛乳箱に回答を入れるという方法で悩み相談にのっていたナミヤ雑貨店をめぐる物語。

 雑貨店には不思議な時間が流れ、過去や未来とつながる。登場人物たちが関わる児童養護施設と雑貨店を軸に現在と過去が交錯する。

 もっともっとたくさんのエピソードを読みたくなるあたたかい物語。

 以下、ネタバレあり。

 1章。空き巣狙いの3人が逃げ込んだ廃屋と化した雑貨店。そこに1979年という過去から悩みが寄せられた。オリンピックを目指して練習を続けるべきか、不治の病の恋人の看病に専念すべきか、というものだった。3人は懸命にその回答を考える。

 2章。プロの歌手を目指した青年と、魚屋の父の物語。回答主は、はじめ、歌手の夢をあきらめるよに言うが、最後「あなたの歌は残る」として歌い続けるようアドバイスする。児童養護施設の火事で青年が命をとして助けた子供の姉は音楽の才能を生かし、歌を伝え続けることになる。

 3章。悩み相談を受けていた雑貨店主と息子の物語。死を目前にした店主は、悩み相談を受けた人たちがその後どんな人生を送ったかを懸念し、息子に、三十三回忌が近づいたら、一日だけ雑貨店が復活するとの告知をするよう依頼する。病院から1日だけ帰宅した店主に、たくさんの礼状が届く。

 4章。ビートルズ好きだった豊かな家庭の少年が、夜逃げに追い込まれた。夜逃げの際に両親と別れて児童養護施設で育った少年は彫刻をなりわいとするようになる。ナミヤに言われたのと違って両親と別れたが、それなりに幸せになった少年は、三十三回忌に、ナミヤに、相談の返事が間違っていたことを指摘しようとするが、たちよったビートルズバーで、両親の心中を知る。自分が両親から離れたことで両親を追いつめてしまったと気づき、手紙を書き直す。

 5章。児童養護施設で育った晴美は、水商売につくにあたってナミヤに相談した。激しく反対されたが、養護施設に恩返しがしたいとの気持ちを伝えると、返事は、将来のバブル経済、とその崩壊、インターネット社会の到来を予言し、金をもうける手段を伝えてきた。晴美は成功した。その晴美の家に盗みに入ったのが、やはり児童養護施設出身の空き巣狙いの3人組だった。晴美のバッグから、ナミヤへの手紙を見つけた3人は自首する決意をする。自分たちがためしに投函した白紙の手紙は死を目前にしたナミヤの主人に届き、ナミヤから3人にあるメッセージが寄せられる。

 すべての登場人物が児童養護施設の関係者という強引な設定には疑問があるが、それにも一応の説明がつけられている。それも強引なのだが、そういったことはともかく、読んで良かったと思える良書。

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