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2013年5月30日 (木)

東野圭吾「禁断の魔術」(文芸春秋)

評価4

 ガリレオシリーズ第8作。

 「透視す」「曲球る」「念波る」「猛射つ」からなる短編集。いつもながら飽きさせない完成度。どの作品も、トリックのおもしろみだけでなく、湯川の温かな人間性が楽しめて良い。湯川が教え子を信じ、守ろうとする「猛射つ」はちょっと感動的。

 以下、ネタバレあり。

 「透視す」
 初対面の客の名刺を封筒に入れて透視する特技を持つクラブのホステスが殺害された。犯人は会社で不正経理をしていたが、鞄に入っていた不正な小切手をホステスに透視されたと思い、殺害した。ホステスは小切手を見たことをほのめかしていたが、実際には赤外線とコールドリーディングを使ったトリックだった。ホステスは、まま母との関係がうまくいっていなかったと思われていたが、実際には、全く逆の思いを抱いていたことまで、湯川は見抜く。

 「曲球る」
 戦力外通告を受けたプロ野球の投手の妻が強盗に殺害された。犯人はまもなく捕まるが、妻は車の中にプレゼントらしい置き時計を持っていた。湯川らは、車のさびから妻がどこに行っていたかを突き止める。投手はかつて、現役にこだわらないという約束を妻としており、野球を続けるべきか悩んでいたが、妻は台湾野球の関係者と会い、投手の台湾移籍を検討していたのだった。湯川が「台湾」にたどり着いたヒントは置き時計だった。投手は妻の思いを知り、再起を目指す決意をする。

 「念波る」
 東京で若菜が襲われて意識不明になった。長野にいた双子の妹春菜がテレパシーで若菜の危機を知り、おばに電話をかけてもらって発見に至ったという。春菜は犯人の顔も分かると主張。湯川は春菜の嘘を見抜くが、協力を申し出る。大がかりな実験装置に春菜をかけ、若菜の夫に集めさせた関係者の写真をつぎつぎと見せていく。しかし、それは、夫を犯人と疑い、共犯者の写真を差し出さないことを見越した罠だった。春菜は数カ月前、若菜の家で、何者かに襲われて以来、若菜の夫を疑っていたのだった。

 「猛射つ」
 古芝伸吾は高校の物理部の部員集めに、OBの湯川の協力を得た。それはレールガンの製作だった。それから約1年後、伸吾は帝都大に入学する。さらに1年後、フリーライターの長岡修が殺され、警察は大規模な科学施設の計画を進める政治家の関与を疑う。長岡が生前、町工場に電話していたことがわかるが、そこでは大学を中退して働いていた伸吾が行方不明になっていた。やがて隠してあったボイスレコーダーの音声から科学施設計画の反対派のリーダー(実は賛成派のスパイになっていた)が長岡殺しの犯人と分かる。その動機は長岡が政治家のスキャンダルをつかんだことだった。そのスキャンダルは伸吾の姉(新聞社の政治部記者)が政治家の愛人であり、政治家が病院などに連絡しなかったためホテルで子宮外妊娠で死亡したというものだった。警察は伸吾が姉の復讐のため政治家を狙っていると判断する。警察がダミーのレールガンに目を奪われているうち、湯川は本当のレールガンを発見。遠隔操作の制御プログラムを書き換え、自分のものにする。湯川は伸吾と電話で話し「どうしても殺したければ自分が発射する」と告げる。

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コメント

こんにちは。

自分も「禁断の魔術」読みましたよ。
楽しい作品ですよね。
「猛射つ」に感動するお気持ち、わかります。

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