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2013年6月 4日 (火)

横山秀夫「64」(文芸春秋)

評価5

 横山秀夫待望の新作。650ページの大作は文句なしの傑作といえると思う。
 張り巡らされた伏線、登場人物の一言一言、そして中表紙の絵さえもが最後に大きく意味を結ぶ。
 横山さんにはもっともっとかいてほしいと思うが、この質のものを1年1冊書くのはさすがに無理かな。

 以下、ネタバレあり。

 昭和64年に起きた未解決の誘拐殺人事件から14年。捜査ミスのため、犯人の声の録音はない。この捜査ミスとその隠蔽をめぐり刑事部と警務部が全面戦争に突入する。刑事出身のD県警広報官、三上は、3か月前に娘のあゆみが失踪する中、出身母体の刑事部と、現在の所属先である警務部の板挟みになる。

 1週間後に警察庁長官の訪問を控えるが、三上は、交通事故の匿名発表が原因で記者クラブとの関係をこじらせ、誘拐事件の遺族にも長官訪問を拒否されてしまう。拒否の理由を探るうち、誘拐事件の不祥事を記したとされる「幸田メモ」の存在が明らかになり、長官の訪問には警察庁キャリア組のある狙いが込められていることが分かる。それは刑事部長ポストのキャリア化。三上は県警本部長に異議を申し立てる。

 刑事部からは、記者クラブの長官取材ボイコットを放置するよう求められ、警務部からはボイコット撤回を求められる。そうした中で三上は、独断で「原則実名発表」を打ち出し、組織の殻を捨てて記者クラブと向き合い、記者たちと和解する。

 長官視察の前日、女子高校生を誘拐したとして身代金を要求する事件が発生した。犯行態様は、昭和64年の誘拐事件と酷似していた。捜査本部は記者クラブに報道協定の締結を求めたが、被害者を匿名発表。記者クラブ側は激高する。捜査一課長は、被害者の父、目崎の氏名だけは三上に明かしたが、それ以上は情報公開を拒み、記者会見に何も知らない捜査二課長を出すなどしたため、マスコミは大騒ぎになる。

 いよいよ、身代金受け渡しの日。三上は事態を打開するため、懇意の捜査一課長が乗る指揮車に乗り込んだ。犯人は目崎の携帯電話で、64事件で使われた喫茶店などに目崎を誘導する。そうした中、被害者であるはずの女子高生が見つかった。しかし、報道協定を解除しようとする三上を、一課長は止め、「64の捜査だ」と明かす。

 犯人は、女子高生が保護されたことを知らない目崎に身代金2000万円を燃やさせる。

 家出した娘からだと思っていた無言電話、三上の知人らにもかかっていた無言電話、64事件の被害者の父の黒ずんだ人差し指。三上は一課長が追っているものに気づく。

* 304ページ8行目、かっこの閉じがおかしい誤植がある。

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