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2013年11月 3日 (日)

宮部みゆき「ソロモンの偽証」(新潮社)

評価5

 第Ⅰ部「事件」、第Ⅱ部「」、第Ⅲ部「」から成る。各巻700ページの超大作だ。
 子どもが主役の宮部作品にありがちなことだが、子どもたちがいい子過ぎで頭よすぎ。語彙も豊富で、子どもらしくない。
 それはさておいても、真相には期待したほどのおもしろさはなかった。
 それでも評価5をつけたのは、ところどころに表れる登場人物たちの思いやりや優しさが心地よかったゆえです。

 以下、ネタバレあり。楽しみたい人は絶対に読まないでください。

【第Ⅰ部】

 時代はバブルのころ。城東第三中学2年の柏木卓也がクリスマスイブの夜、校舎の屋上から落ちて死亡した。卓也は1か月前に不良グループの大出俊次ら3人とけんかして以来不登校になっていた。
 柏木の両親は、息子が自殺したと考えた。一方、兄の宏之は卓也が両親の愛情を独占し、兄の人生までコントロールしようとして、病弱を装っていたとの疑念を持ち続けていた。
 同じ学年の三宅樹里はかつてニキビ面を理由に大出からひどいイジメを受けたことがあり、「大出らが卓也を突き落とすのを見た」との告発状をしたため、校長と、刑事の父を持つ藤野涼子、担任の森内恵美子に送った。
 佐々木礼子刑事ら警察は信憑性を認めないが、聞き取り調査から三宅が出したものと断定する。
 一方、森内の隣のマンションの部屋に住む垣内美奈絵は、浮気している夫からひどい扱いを受けている場を森内に見られ、嗤われたと思って、森内を恨み、森内の郵便受けから郵便物を盗み出していた。告発状も盗みだして、森内を陥れようと、それをテレビ局に送る。
 テレビ局の茂木記者は、森内が告発状を破って捨て、学校ぐるみで隠蔽していたとの番組を製作する。
 新学期になって、三宅と一緒に告発状を投函した浅井松子が、三宅の家を訪ねた後、交通事故で死亡する。周辺は、松子が告発状を出して、それを後悔して自殺したか事故に遭ったと考えるが、涼子らは松子を家来のように扱っていた三宅が告発状を書いたのではないかと推測する。松子の死を望んでいた三宅は、訃報を聞いて、口がきけなくなってしまう。
 津崎校長は一連の混乱の責任をとって辞任。岡野教頭が校長代理に就任し、記者会見を開いて真相をうやむやにしたまま幕引きを図ろうとするが、不良グループの大出の子分格の橋田と井口が学校でけんかし、井口が校舎から転落して負傷する。
 7月になって大出の家が全焼し、祖母が亡くなる。橋田が放火したとの噂が流れる。
 卓也と同じクラスだった涼子ら2年A組の生徒の間で、卒業制作で事件を解明しようとの声が上がった。涼子はテレビ局の記者と話すうち、真相解明を決意する。

【第Ⅱ部】

 卒業制作(文集)のテーマについて話し合う場で涼子は卓也の死の真相究明を提案する。学年主任の高木はやめさせるため涼子を平手打ちするが、涼子の母親は、教育委員会に訴えない代わりとして学校側に調査を認めさせる。
 調査のための第1回会合に集まったのは、涼子、倉田まり子、死体発見者の野田健一、向坂行夫の4人と、大出と一時つきあっていたという不良少女、勝木恵子だけだった。
 涼子は、まり子と恵子とともに大出に会いに行き、陪審裁判を提案する。
 涼子らの呼びかけで集まった生徒の中から、裁判長、検事、弁護人、陪審員が決まる。涼子は検事。弁護人は、柏木卓也と小学校が同じで今は別の中学に通う神原和彦が務めることになった。神原の父はかつて母を殺害し、自殺していた。神原をそれを大出に明かす。
  森内は、告発状が盗まれたのではないかと疑い、探偵社に調査を依頼。探偵社は隣の部屋に住む垣内美奈絵が頻繁に森内の郵便物を盗んでいることを突き止める。
 津崎前校長は裁判に協力する意向を固め、涼子は佐々木礼子刑事の協力を取り付けた。
 三宅樹里は、裁判のことをテレビ局に知らせる手紙を書いているところを母親に見つかってしまう。
 検察側、弁護側は、卓也の両親や兄、大出家のヘルパーらに話を聞き、準備を進める。
 茂木記者が涼子を訪ね、告発状の差出人を名乗る女性から電話があったことを明かす。女性はうっかり樹里の名前を口にしたという。茂木は樹里を取材する考えを明らかにするが、涼子は茂木を逆に利用しようと考え、取引を持ちかける。
 涼子は三宅樹里に検察側の証人になるよう頼んだ。樹里は供述調書を提出する形での協力を決めるが、松子を利用することを考える。
 涼子は、父親から、大出の家の火事は、資金繰りのため、放火を頼んだ自作自演として、警察が捜査していることを聞く。
 卓也の家の通話記録から、卓也の死の当日、数時間おきに5回にわたり電話がかかっていることが判明。いずれも秋葉原や赤坂、新宿、近所の小林電器店前などの公衆電話と判明する。
 ある朝、大出の父、勝が逮捕された。
 また、森内教諭が何者かに襲われて病院に運ばれた。状況から垣内美奈絵の犯行と疑われた。
 裁判の前日、樹里が涼子に、松子と一緒に自分も目撃したと言い、証人として出廷する考えを明かす。

【第Ⅲ部】
 いよいよ裁判が始まった。さまざまな証人が呼ばれる。
 弁護側は、死の当日の卓也宅への電話について、自殺しようとした卓也が両親に電話をかけたとの説を立証しようとするが、卓也の父の証言で覆されてしまう。
 井口は、大出から「自分が殺した」と直接聞いたと証言する。また卓也が不登校になる前の大出ら3人と卓也のけんかについて、卓也の方が挑発してきたと証言。その際に卓也は「人を殺したことがあるか」と3人に尋ねたという。
 卓也の父は、卓也が不登校のときに、別の学校の生徒(小学校時代の塾の友達)から電話がかかっていたようだと証言する。
 樹里は、松子とともに、大出に追い立てられた卓也が屋上から転落するのを見たと証言した。
 一方、橋田は、自分も大出も学校には行っていないと証言。卓也が不登校になってからコンビニで偶然会い、死とはどういうことかについて卓也がまた話したと言う。
 大出家に放火した実行犯の弁護士が証言。実行犯は12月24日の夜、大出家を訪ね、25日の零時8分に大出と会ったという。
 大出の被告人質問で、神原は、大出のこれまでの悪行を並べたて、誰がうその告発状を書いてもおかしくないと糾弾する形で大出を弁護した。
 被告人質問が終わった日、小林電器店の主人が涼子に、電話をかけていたのは神原だと告げる。
 神原が証言台に立ち、12月24日の電話はいずれも自分がかけたことを明かす。生きる意味を疑っていた卓也が、不幸な経歴を持つ神原がつらい過去にまつわる思い出の地を回り、過去を乗り越えられるなら、自殺をとどまると言ったため、神原は各地を回ったが、神原はむしろ前向きになって帰って来た。
 卓也は神原を深夜の学校に呼び出し、逆に神原を非難する。腹を立てた神原は卓也に、「死にたいなら勝手にしろ」と言い残してその場を去ったという。神原は「自分が卓也を殺した」と責任を感じていた。
 三宅樹里が傍聴席で立ち上がり、改めて証言させるよう求める。三宅は、松子は無関係だったと明かした上で、目撃したのは大出であり神原ではないと訴える。野田健一は、被告人質問で告発者の気持ちを代弁した神原を樹里がかばっているのだと気づく。
 予想もしなかった神原の証言。陪審員が出した評決は…

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