サイト内検索


  • ウェブ全体から検索
    ココログ全体から検索
    中南米と山とミステリー内検索
2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

« 奥田英朗「空中ブランコ」(文春文庫) | トップページ | 映画「孤独なツバメたち~デカセギの子供に生まれて」(日本、2011年) »

2015年5月22日 (金)

田中克佳「踊る!ブラジル―私たちの知らなかった本当の姿―」(小学館)

評価3

 ブラジルの魅力と素顔を写真と文で紹介。その文化・社会・歴史を考察している。
 写真が美しい。
 本文では以下のような指摘がなされているが、こうした記述をする根拠(政治家や学者、文化人らの発言、史料、統計など)が明記されていたらもっと説得力があっただろうと思う。
 写真がメインなのでそこまでの紙幅はなかったのだろうが。

・卑しいものとされていたサンバをはじめとするアフロ・ブラジル文化が1930年代以降、国民統合の象徴として政権に利用され、カーニバルが愛国心の発揚の場となった。

・ビーチで男も女も磨き上げた肉体をさらすナルシシズムは、貧しい人たちが唯一の財産である自分の肉体を、唯一の表現手段にしていることの現れである。

・ポルトガルの統治以来、砂糖、鉱物資源、食糧資源、コーヒーなどブラジル経済の地盤を一部の人が支配してきた。「搾取の構造」は今も続き、最低賃金で働く労働者がこうした産業を支えている。貧富の格差はなかなか縮まらない。

・1960年のブラジリアへの遷都は、海岸部(リオ、サンパウロ、サルバドルなど)の支配層から民衆の手に国を取り戻そうとするクビチェック大統領の野望が背景にあった。

・米国が「人種のサラダボール」(混じり合わない)ならブラジルは「人種のミックスジュース」「人種のシチュー」(混じり合っている)。自国の文化や伝統を守りながらそれを周りと同化させ、周りの文化も取り入れて自分と融合させる社会だ。それでも人口の9割がドイツ系の町や、大半がイタリア系の集落もある。

・17世紀後半から18世紀にかけてゴールドラッシュに沸いたミナスジェライス州オウロプレット。ポルトガルに金を運ぶため、ここを起点に1700キロ以上に及ぶ「王の道」がつくられた。ゴールドラッシュは、鉱山作業員や商人、奴隷など多種多様な人種をブラジルに呼び込み、多様性に満ちた現在のブラジル社会の原型になった。

« 奥田英朗「空中ブランコ」(文春文庫) | トップページ | 映画「孤独なツバメたち~デカセギの子供に生まれて」(日本、2011年) »

中南米が好き」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/576624/61562205

この記事へのトラックバック一覧です: 田中克佳「踊る!ブラジル―私たちの知らなかった本当の姿―」(小学館):

« 奥田英朗「空中ブランコ」(文春文庫) | トップページ | 映画「孤独なツバメたち~デカセギの子供に生まれて」(日本、2011年) »