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2017年6月

2017年6月20日 (火)

深木章子「交換殺人はいかが? じいじと樹来とミステリー」(光文社)

評価3

 「僕は、そんなことじゃないと思うんだけどなあ」

 元刑事の君原は、推理小説作家を目指す小学6年生の孫の樹来(じゅらい)に、かつて出会った事件について語るが、樹来は、当時の事件解釈をひっくり返す名推理を展開する。いわば安楽椅子探偵もの。

 6編から成る連作短編集。「天空のらせん階段」(密室)「ざしき童子は誰?」(幽霊)「犯人は私だ!」(ダイイングメッセージ)「交換殺人はいかが?」(交換殺人)「ふたりはひとり」(双子)「天使の手毬唄」(童謡殺人)。

 最初の「天空のらせん階段」を読んで、トランポリンを使ったトリックというのにあきれた。とてもうまくいくとは思えない。この調子で進んでいくのかと、読むのをやめようかとも思ったが、他の作品は、楽しめた。

 表紙を見ると、子ども向けかと思ったが、内容は不倫や妊娠中絶などが出てきたりして、そうでもなかった。

 この手の作品にありがちだが、主役の少年は、語彙なども含め知識が豊富すぎて現実味にかける。

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長岡弘樹「波形の声」(徳間書店)

評価3

 著者得意の7編から成る短編集。面白いが、人間関係や設定が極めて特異だったりして、読後感がすっきりしない印象。

 以下、ネタバレあり。

「波形の声」
 補助教員の谷村梢は、短期で小学校の担任を務める。小4の文吾は谷村に、別の先生の万引を目撃したと明かした後、自宅で襲撃されるが、文吾はその直前に「たにむら先生」と話すのを隣家に聞かれていた。谷村は疑われる。文吾は離任が近い谷村への色紙に文章ではないメッセージを託そうとしていた。

「宿敵」
 82歳の須貝は高校野球時代からのライバル瀬川と健康を激しく競い合う関係。瀬川の車と似た車の事故を目撃して、当事者が瀬川であることを願った自分を責めて免許を返上し、瀬川の目の前に運転経歴証明書を示すが、瀬川は反応しない。

「わけありの街」
 刑事の「わたし」は、息子の盾夫を殺害された百目木(もめぎ)弥江の訪問を受け、盾夫が住んでいた部屋に住むと告げられる。盾夫は将棋が趣味。事件の直前に体重が急激に減っていることから、「わたし」は盾夫が直前まで将棋で脳を使っていたと推察する。別の強盗事件の被告の判決が出て間もなく、弥江は部屋を引き払った。「わたし」は弥江が犯人を知っていながら隠していたと考える。全ての事件の責任をとらせるために。

「暗闇の蚊」
 中学生の渉が獣医である母の仕事をよく手伝う。母は、近所の女性、翠を、かつて横領事件を起こして失踪した元準々ミス日本だと疑うが、年上の女性が好きな渉は、翠を信じる。翠はどうみても30代半ばだが、もし元準々ミス日本なら24歳であるはず。母は整形などでわざと加齢していると疑う。渉は学校で禁じられている携帯の着信音をモスキート音にしていた。この音は20代半ばまでしか聞こえない。

「黒白の暦」
 秋穂と部下の理花は会社でライバル関係にある。一方、秋穂の息子と理花の娘は結婚している。事業統括部長がどちらになるかが決まる直前の商談で秋穂は大きな失態を演じるが、昇任が決まった。理花が秋穂をかばったのだ。秋穂の息子と理花の娘には子どもがなく、秋穂は理花の娘の責任と考えていたが、問題があったのは秋穂の息子だった。秋穂は理花が秋穂の息子を守ろうとしていたことに気づく。

「準備室」
 村役場に勤める茂木と原谷は娘同士も友人だが、最近の人事で茂木が上の立場になった。2人は県に出向するが、上司の桐宇は2人を田舎者呼ばわりしてパワハラをする。茂木は失態を隠したまま娘たちの職場見学を受けるが、桐宇は総務課でなく、条例の準備室で見学を受けさせる。茂木は娘の前で失態を暴き、恥をかかせようとしていると考えるが、桐宇は娘たちの退出後に失態をののしる。1カ月前にいじめを苦に息子が自殺を図った桐宇の真意とは…

「ハガニアの霧」
 実業家の甲野は、グアム島で知人から民家を買い取る。引きこもりの息子ジョージが物置小屋で有名な画家の絵画を見つけた。この画家の作品30点のうち現存するのは2点。そのうちの1点だった。甲野の元にジョージを誘拐したとの電話があり、絵画を海底に沈めるよう要求する。犯人は誰なのか、その目的は。


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