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2017年12月

2017年12月30日 (土)

中町信「模倣の殺意」(創元推理文庫)

評価2

 江戸川乱歩賞の最終選考まで残った1970年代の作品。
 どういうこっちゃと楽しく読んでいった。「探偵が犯人」という言葉がなんどか出てきたが、読み進めても、それはないだろと思っていたら! 叙述トリックでがっかり。あり得ない偶然。

 関係者が、警察官でもない人に、他人のプライバシーを話しすぎるのが不自然。今とは時代が違うとはいえ、お客さんのことをべらべらと話す旅館の女将とか部屋係って…

 以下、ネタバレあり。
 新進作家、坂井正夫が自宅で死亡しているのが見つかった。死因は青酸カリ。警察は自殺として処理したが、婚約者の中田秋子は、坂井の家に出入りし、坂井に多額の現金を渡していた遠賀野律子を疑い、調べる。一方、坂井と同人誌をつくっていた作家、津久見は、坂井の作品が、亡くなった大作家が数年前に発表した作品の盗作だとの疑惑を知らされる。津久見は、坂井によって自殺に追い込まれた妹を持つ雑誌編集者、柳沢を疑う。
 
 中田は律子のアリバイを調べるが、そのさなかに律子は事故死する。また、津久見は柳沢のアリバイを崩すが、柳沢は犯行を否認する。一方で、坂井の作品を盗作していたのは大作家の方だったことを明かす。
 この先を書くと、ネタバレの本質部分に近づいてしまうので書きません。
 
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2017年12月23日 (土)

東野圭吾「素敵な日本人」

評価3

 9編から成る短編集。
 短編ということもあり、軽い作品ばかりだが、最初の「正月の決意」以外はそこそこ楽しめた。

「正月の決意」
 初詣に行った老夫婦が、町長が裸で倒れているのを発見。あまりにもあり得ない設定で、次の作品に進むのがためらわれるほど、つまらなかった。

「十年目のバレンタインデー」
 10年前に別れたかつての恋人から食事に誘われた作家。恋人は作家の罪を暴く。

「今夜は一人で雛祭り」
 娘が名家に嫁入りすることになり、やっていけるかと懸念する父親。今は亡き、妻も、姑との関係で苦労したと考えたからだったが、娘から、ひな人形にまつわる秘密を示唆される。

「君の瞳に乾杯」
 合コンで知り合った女性とアニメの話で意気投合。しかし、相手が化粧を落としたところで、ある人物だと気づく。この男は実は…

「レンタルベビー」
 SF。子どものない夫婦がロボットの赤ちゃんを使って疑似子育てを体験する。最後のオチはどう評価したらよいか…

「壊れた時計」
 依頼を受けた盗みに入った先で、住人が帰ってきてしまった。誤って死なせてしまったが、その腕時計が壊れているのに気づく。不自然なアリバイ工作と疑われるのを避けるため、時計店で修理するが、それがあだに…

「サファイアの奇跡」
 小学生の女の子が神社で野良猫イナリと仲良くなるが、イナリは交通事故に遭い、動物病院に運ばれ、死んだと聞かされる。年月がたち、女の子は動物病院で働くようになる。そこに運び込まれたサファイア色のペルシャ猫を見て、イナリと気づく。イナリに何が起きていたのか。

「クリスマスミステリー」
 年上の女性脚本家の力を借りて人気を得た俳優。女性殺害を企てるが失敗。しかし、女性は死亡しているのが見つかった。俳優は刑事に追い詰められる。

「水晶の数珠」
 名家の跡取りでありながら、俳優になることを目指し渡米した男性。男性を勘当した父の余命が短いと姉から連絡を受け、帰国するが、父は電話をかけてきて息子を追い払うようなことを言う。男性は会わずに米国に戻る。やがて父が死に、代々伝わる水晶の数珠を相続する。1度しか使えない数珠の不思議な力を父は何に使ったのか。

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2017年12月10日 (日)

清水潔「殺人犯はそこにいる」(新潮文庫)

評価5

 ミステリーではなく、ノンフィクション。日本推理作家協会賞受賞作。一時、話題になった覆面文庫「文庫X」としても知られる。

 「一番小さな声を聞け」。筆者が自分に課した「縛り」が、1人の男性をえん罪の監獄から救い出した。調査報道の見本といえる好著。

 群馬県と栃木県の県境の狭い範囲で5人の幼女が行方不明になったり殺害されたりした。筆者は、同一犯による事件ではないかと疑う。しかし、いわゆる「足利事件」だけが、容疑者逮捕、有罪確定により、解決済みとされている。
 筆者は足利事件がえん罪であることを報道、再審無罪を導くが、検察は当初のDNA型鑑定の誤りは決して認めなかった。
 さらに、筆者は、犯人とDNA型が一致する人物を見つけ出し、捜査当局に、「ルパン」に似たこの男について情報提供するが捜査当局は動かない。なぜか。
 検察が鑑定を誤りを認めれば、同じ鑑定によって、犯人とされた男が死刑執行された飯塚事件のえん罪も証明されかねない。検察はこうした事態を避けるため、真犯人の捜査にも及び腰とみられる。
 こうして真犯人は今も、捜査を受けず、野放しになっている。



有栖川有栖「ロシア紅茶の謎」 (講談社文庫)

評価3

 大学助教授、火村英生とミステリー作家、有栖川有栖のコンビを主人公とするシリーズ第1作の連作短編集。そこそこおもしろい。

「動物園の暗号」
 動物園で起きた殺人事件。被害者が残した暗号の謎がテーマ。被害者がそもそも暗号をつくった意図などがよく分からなかった。面白くなかった。

「屋根裏の散歩者」
 アパートの大家が殺害された。一方、付近では女性を狙った殺人事件が連続。アパートの住民の一人が犯人で、それに気づいた大家が口止めのため殺されたらしい。大家は屋根裏から住民たちの部屋をのぞいて、様子を書き記していたが、どの記述かだれの様子か分からない。火村が仕掛けた罠とは。

「赤い稲妻」
 マンションから女性が転落する。目撃者によると、ベランダにはもう一人の人物がいたが、部屋には鍵がかけられていた。いたとすると、どこから出たのか。女性は弁護士の不倫相手だったが、弁護士の妻も、間もなく、踏切で車に乗ったまま電車にはねられ亡くなった。

「ルーンの導き」
 中国系米国人の編集者が殺害され、占いに使われるルーン文字が書かれた石を4つ握っていた。その意味は。石が4つだったこと、被害者が編集者であることがヒント。

「ロシア紅茶の謎」
 作詞家の男性がパーティーで青酸カリをもられ殺害された。現場からは青酸カリを入れた容器も見つからない。だれもに動機があるが、毒を入れたタイミングや手段がまったく分からない。火村が見破った、犯行手口とは。

「八角形の罠」
 劇団のメンバーがホールの練習室で毒を注射器で注入され殺害された。しかし、凶器の注射器はだれも身につけておらず、意外なところから見つかった。一方、さらに別の劇団員がたばこに仕込まれた毒で殺害される。
 ホールの見取り図が掲載され、読者は作者から謎解きの挑戦を受ける。

 
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