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中南米が好き

2016年1月 2日 (土)

造事務所編著「日本人が驚く中南米33カ国のお国柄」 (PHP文庫)

評価3

 たかだか250ページの文庫で中南米33カ国を紹介してしまうという大胆な本。
 現地取材に基づいておらず、巻末に掲載されている参考文献を極めて簡略にまとめたものとみられ、「~らしい」「~だそうだ」という記述が多数あるのは残念だが、統計データは引用元、引用年などが明記されており、それなりにしっかりしている。

 カリブ海の国々はたかだか各国3~4ページの構成だが、へぇ~と思うことも多かった。

 

2015年7月19日 (日)

アルベルト・フジモリ「大統領への道 アルベルト・フジモリ回想録」(中央公論新社)

評価3

 1990~2000年、ペルー大統領を務めた日系人フジモリ氏の回想録。
 出版はフジモリ氏が日本で亡命生活を送っていた2003年。
 岸田秀訳。

 自伝なので自分に都合のよいことしか書いていないのは仕方ないが、彼が禁錮25年の判決を受けることになった二つの市民虐殺事件(左翼ゲリラ掃討作戦中の軍部隊が一般市民計25人を殺害した)や、日本大使公邸人質事件で投降したゲリラがその場で処刑されたとされる問題についての経緯などに触れられていないのは残念。

 なお、フジモリ氏は現在、ペルーで服役中である。

 絶版のようですが、古本は手に入るようです。

2015年7月 5日 (日)

嵐よういち「ブラジル 裏の歩き方」(彩図社)

評価3

 ビールの種類から、ナイトクラブ訪問、体当たり的な観光体験、治安、日本人宿の住人まで、実体験に基づいたブラジル紹介。これ1冊で大丈夫という感じのガイドブックとは違うが、この手の本にしては地図や写真も多く、バックパッカー的な旅行をする人には役に立つだろう。

2015年6月14日 (日)

映画「孤独なツバメたち~デカセギの子供に生まれて」(日本、2011年)

評価2

 津村公博、中村真夕監督。

 ブラジル人が多く暮らす浜松市で、出稼ぎのブラジル人の子供として生まれた少年・青年たちの夢や挫折、成長を追うドキュメンタリー。

 日本国籍がないため義務教育が保証されず、就職も難しい。2008年のリーマンショック後は日本の不景気のため、出稼ぎ者がブラジルに帰国。子どもたちも住み慣れた日本を離れざるを得ない。

 そういった過酷な環境は分かるが、若者特有の甘えが鼻について共感できない。薬物に手を出して強制送還されそうになって「もっと勉強したい」って泣かれても…

 音声がわかりにくい部分があるから字幕をつけてほしかったし、ドキュメンタリーとはいえカメラワークも丁寧とは言い難い。せめてダンスシーンぐらいはもっと引いてきれいに撮ってあげてほしかった。

 日本にとってもブラジルにとっても大切な問題であるだけに視点は非常にいいのだが、期待していただけにちょっと残念。
 それでも、日本の社会にこういう人たちがいるということを認識するためにはいい映画だと思う。


 

2015年5月22日 (金)

田中克佳「踊る!ブラジル―私たちの知らなかった本当の姿―」(小学館)

評価3

 ブラジルの魅力と素顔を写真と文で紹介。その文化・社会・歴史を考察している。
 写真が美しい。
 本文では以下のような指摘がなされているが、こうした記述をする根拠(政治家や学者、文化人らの発言、史料、統計など)が明記されていたらもっと説得力があっただろうと思う。
 写真がメインなのでそこまでの紙幅はなかったのだろうが。

・卑しいものとされていたサンバをはじめとするアフロ・ブラジル文化が1930年代以降、国民統合の象徴として政権に利用され、カーニバルが愛国心の発揚の場となった。

・ビーチで男も女も磨き上げた肉体をさらすナルシシズムは、貧しい人たちが唯一の財産である自分の肉体を、唯一の表現手段にしていることの現れである。

・ポルトガルの統治以来、砂糖、鉱物資源、食糧資源、コーヒーなどブラジル経済の地盤を一部の人が支配してきた。「搾取の構造」は今も続き、最低賃金で働く労働者がこうした産業を支えている。貧富の格差はなかなか縮まらない。

・1960年のブラジリアへの遷都は、海岸部(リオ、サンパウロ、サルバドルなど)の支配層から民衆の手に国を取り戻そうとするクビチェック大統領の野望が背景にあった。

・米国が「人種のサラダボール」(混じり合わない)ならブラジルは「人種のミックスジュース」「人種のシチュー」(混じり合っている)。自国の文化や伝統を守りながらそれを周りと同化させ、周りの文化も取り入れて自分と融合させる社会だ。それでも人口の9割がドイツ系の町や、大半がイタリア系の集落もある。

・17世紀後半から18世紀にかけてゴールドラッシュに沸いたミナスジェライス州オウロプレット。ポルトガルに金を運ぶため、ここを起点に1700キロ以上に及ぶ「王の道」がつくられた。ゴールドラッシュは、鉱山作業員や商人、奴隷など多種多様な人種をブラジルに呼び込み、多様性に満ちた現在のブラジル社会の原型になった。

2015年5月 5日 (火)

木村榮一「ラテンアメリカ十大小説」(岩波新書)

評価3

 中南米を代表する10の小説、およびその作家を紹介する中南米文学の入門書。
 中南米の文学作品は私にとって非常に敷居が高いのだが、これを読んでもやはり難しそうだ。

【疑問点】
・26ページに「ダンテをめぐる九つのエッセイ」(一九二八)とあるが、(一九八二)の間違いではないだろうか。

・148ページ「一九七五年に祖国チリで軍事革命が起こり」とあるが、ピノチェト将軍のクーデターが起きたのは1973年。イサベル・アジェンデの項で「一九七三年にクーデタが起こり」(170ページ)とあるのだが…

・129ページの「スペインの有名な文学賞《ビブリオテーカ・ブレーベ賞》」は159ページの「スペインの文学賞であるブレーベ図書賞」と同一のものと思われる。こういう用語は統一してほしかった。

2015年4月 6日 (月)

映画「生きてこそ」(1993年、米国)

評価5

 フランク・マーシャル監督。イーサン・ホーク主演。
 原題は「ALIVE」

 1972年にウルグアイ空軍機がアンデス山脈に墜落し、乗っていたウルグアイの学生ラグビーチームメンバーや家族らが、救出まで死んだ仲間の肉を食べて70日余り生き延びた「アンデスの奇跡」といわれる実話を基にした映画。事故では乗客乗員45人中、墜落後の雪崩の死者も含め29人が死亡し、16人が生還した。2人の若者が山を越え、助けを求めることに成功し、生還が実現した。

 彼らの多くはクリスチャン。映画の全編を覆っているのは深い信仰だ。過酷な運命を神が与えた試練ととらえ、神に祈り、自分の行動の意味を神に問う。神とともにあるということは、かくも人を強くするのかと思わずにいられない。

 収録されているメイキングには事故の当事者が登場。自ら事故を振り返る。これも必見だ。

2015年3月27日 (金)

平間康人「南米『裏』旅行」(彩図社)

評価2

 著者が南米8国を初めて旅行し、夜の街やスラム街を探検して怖い目に遭ったり、おかしな人たちと出会ったりした旅行記。
 「裏」という割には、行けるところまで行っていない感じで物足りない。また、筆者はポルトガル語もスペイン語も分からない状態で行っているので情報量も不足していると思われる。
 また、旅行の時期が書いておらず、時々出てくる物価の価値が今と比べてどうかということも分からず、資料性に欠けるのも残念。
 筆者の旅行がエクアドルのクーデターの直後だっというような記述があり、2011年に単行本が出版されていることなどから、旅行は10年9~12月ごろだったと推察はできるが。
 せめて地図でもつけて、このあたりはこんな感じ、だとか、図示したりすれば旅行者の参考にもなっただろうと思う。
 文章もうまいとは言えず、論旨の展開が分からない部分、説明不足で消化不良の部分もあった。さんざん南米を旅行して、後書きで「次回は中南米に行ってみたい」って…。「中米」の間違いでしょう。このあたりは出版社の編集者がなんとかしてほしかったところ。

2015年3月26日 (木)

岡山裕子「ブラジル、住んでみたらこんなとこでした!」(清流出版)

評価2

 副題は「ようこそ! おいしい食と可愛い雑貨の国へ」。

 筆者はTBS「NEW23」のキャスターを務めたアナウンサー。夫の赴任に同行し、ブラジル・サンパウロ在住。

 現地で生活、出産もした筆者の経験を通してブラジル文化・社会を紹介するという本。へぇ~という部分もあるが、ブラジルのきれいな部分ばかりが登場して物足りない感は否めない。
 前半は写真がカラーなのに後半はモノクロになってしまうのも残念。

 本の内容は上
流指向で、紹介されているホテルも高級。サンパウロのおしゃれなお店も、一般旅行者にどれほどの参考になるのだろうと思ってしまう。 

2015年3月25日 (水)

映画「BIUTIFUL ビューティフル」(2010年、スペイン、メキシコ)

評価3

 イニャリトゥ監督。
 米アカデミー賞外国語映画賞、主演男優賞ノミネート。
 カンヌ国際映画祭男優賞受賞。

 スペイン・パルセロナ。不法移民への職の斡旋などで生計を立てるウスバル(ハビエル・バルデム)は、精神を病んで麻薬にも手を出す妻と離婚後、2人の子供を育てている。死者と対話できる霊媒の能力もある。ある日、末期がんで余命2カ月を宣告される。子供2人をどうするのか…。そんな中、不法移民をめぐる起こすトラブルに加え、自分も善意でやったことが裏目に出て多数の移民を死なせてしまう。子供を託そうとしたセネガル人女性は、渡した金とともに姿を消す。全く絶望的な状況が続く。清廉潔白とはいえないウスバルだが、子供を愛する気持ちと、自分なりの倫理観は本物。最期までそれを守り抜く。

 おもしろいかと言えばおもしろくないかも。感動したかと言えばそうでもない。片手間に見るような作品ではなく、真剣に見ればもっと味わいがあったかもしれないと思う。

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